ノエルやアルベドなどの理想比率を求めるネタ記事
要約
手軽に知りたい人は,ツールを作ったのでそちらを使う.
一般キャラ
攻撃力:約120%
会心率:会心ダメ=1:2
詳細は別記事へ
ノエル/胡桃 の場合
時の砂のメインオプが 攻撃 or 防御/HP であれば,それ以上の 攻撃/防御/HP は過剰気味.
それよりも会心系の優先度が高い.
アルベド(スキル)の場合
防御力:約170%
会心率:会心ダメ=1:2
Lv.90の時の170%の目安
防御力 876 + 1489 (=2365)
題
攻撃力と会心の理想比率の求め方を参考にして,期待値が最大になる攻撃/防御/HPと会心の理想比率を求める.
聖遺物のサブオプションで伸びるステータスが,攻撃力(%)は防御力(%)の0.8倍伸び,攻撃力(%)とHP(%)は同じ伸び率であることを前提条件とする.
計算
攻撃力(%)を\(x_a\),防御力(%)を\(x_d\),HP(%)を\(x_h\),会心率を\(y\),会心ダメージを\(y’\),期待倍率を\(z\)とする.
また,攻撃・会心の装備スコアを\(a\)とする.
攻撃力の影響倍率を\(n_a\),防御力の影響倍率を\(n_d\),HPの影響倍率を\(n_h\)とする.
また,簡略化するために,\(n_A=n_a\times 基礎攻撃力\),\(n_D=n_d\times 基礎防御力\),\(n_H=n_h\times 基礎HP\)とする.
期待倍率\(z\)は
$$z=(n_A(1+x_a)+n_D(1+x_d)+n_H(1+x_h))(1+yy’)\tag{1}$$
装備スコア\(a\)は,前提条件を用いると
$$a=x_a+0.8x_d+x_h+1.5y+0.75y’\tag{2}$$
\(x\)の最適化
式\((1)\)の各\(x\)に関する項を\(z_x\)と置く.
$$z_x=n_A(1+x_a)+n_D(1+x_d)+n_H(1+x_h)$$
ここで,各\(x\)のステータスの成長\(\mathit\Delta x\)を考える.
\begin{align}
z_{x\mathit\Delta xa}&=n_A(1+x_a+\mathit\Delta x_a)+n_D(1+x_d)+n_H(1+x_h)\\
&=z_x+n_A\mathit\Delta x_a
\end{align}
式\((2)\)を参考にし,\(\mathit\Delta x_a\)を装備スコア\(\mathit\Delta a\)で表すと
$$z_{x\mathit\Delta xa}=z_x+n_A\mathit\Delta a$$
同様にして,
$$z_{x\mathit\Delta xd}=z_x+1.25n_D\mathit\Delta a$$
$$z_{x\mathit\Delta xh}=z_x+n_H\mathit\Delta a$$
したがって,\(\mathit\Delta a\)の各係数を比較して,最も大きいものを成長させると\(z_x\)が最大となることが分かる.
式\((1),(2)\)の簡略化
簡略化するために,防御力に関しての\(x_d\),\(n_D\)をスケーリングする.
$$x’_d=0.8x_d\\
n’_D=1.25n_D$$
\(x\)の最適化で得た知見から,\(x_a\)を成長させる場合,\(z\)と\(a\)は
\begin{align}
z&=(n_A(1+x_a)+n_D(1+x_d)+n_H(1+x_h))(1+yy’)\\
&=(n_Ax_a+n_A+n_D(1+x_d)+n_H(1+x_h))(1+yy’)
\end{align}
\begin{align}
a&=x_a+0.8x_d+x_h+1.5y+0.75y’\\
&=x_a+1.5y+0.75y’+0.8x_d+x_h
\end{align}
ここで,\(c_a=n_A+n_D(1+x_d)+n_H(1+x_h)\),\(c’_a=0.8x_d+x_h\)と置く.
$$z=(n_Ax_a+c_a)(1+yy’)\\
a=x_a+1.5y+0.75y’+c’_a$$
同様にして,\(x_d\)を成長させる場合,\(x_h\)を成長させる場合は
$$z=(n’_Dx’_d+c_d)(1+yy’)\\
a=x’_d+1.5y+0.75y’+c’_d\\
c_d=n_D+n_A(1+x_a)+n_H(1+x_h)\\
c’_d=x_a+x_h$$
$$z=(n_Hx_h+c_h)(1+yy’)\\
a=x_h+1.5y+0.75y’+c’_h\\
c_h=n_H+n_A(1+x_a)+n_D(1+x_d)\\
c’_h=x_a+0.8x_d$$
これらを一般化すると
\begin{align}
&z=(nx+c)(1+yy’)\\
&a=x+1.5y+0.75y’+c’
\end{align}
さらに,\(z_n=\frac{z}{n}\),\(c_n=\frac{c}{n}\),\(a’=a-c’\)とすると
\begin{align}
&z_n=(x+c_n)(1+yy’)\tag{1.1}\\
&a’=x+1.5y+0.75y’\tag{2.1}
\end{align}
会心\(y,y’\)を含めた計算
はじめに,\(0.25\le y\le 1\)の範囲について考える.
このとき,\(y’=2y\)となるため,式\((1.1),(2.1)\)は
\begin{align}
&z_n=(x+c_n)(1+2y^2)\\
&a’=x+3y\tag{3}
\end{align}
\(x\)を消すと
\begin{align}
z_n&=(a’-3y+c_n)(1+2y^2)\\
&=-6y^3+2(a’+c_n)y^2-3y+(a’+c_n)
\end{align}
ここで,\(a”=a’+c_n-1\)と置くと
$$z_n=-6y^3+2(a”+1)y^2-3y+(a”+1)$$
となり,前回の記事の式\((5)\)と同じになる.
よって,場合分け等の計算を省略し,結果だけまとめると
\(2.75\le a”\le4.25\)のとき,
$$y=\frac{1}{9}(a”+1+\sqrt{(a”+1)^2-13.5})\tag{4}$$
で\(z_n\)は最大になる.
式\((3)\)へ式\((4)\)代入すると
$$x=a”-\frac{1}{3}(a”+1+\sqrt{(a”+1)^2-13.5})-(c_n-1)\\
y=\frac{1}{9}(a”+1+\sqrt{(a”+1)^2-13.5})\\
2.75\le a”\le4.25$$
となり,横軸を会心率\(y\),縦軸を\(x\)として,グラフにすると

この形になり,\(c_n\)の値によってグラフが上下にずれる形となる.
(図は\(c_n=1\)のときの値)
\(a”\)を\(a’\)の形に直すと
$$x=a’-\frac{1}{3}(a’+c_n+\sqrt{(a’+c_n)^2-13.5})\\
y=\frac{1}{9}(a’+c_n+\sqrt{(a’+c_n)^2-13.5})\\
3.75-c_n\le a’\le5.25-c_n$$
会心率25%未満のとき
次に,\(0.05\le y<0.25\)について考える.
また前項から,\(0<a'<3.75-c_n\)
このとき,\(y’=0.5\)となるため,式\((1.1),(2.1)\)は
\begin{align}
&z_n=(x+c_n)(1+0.5y)\\
&a’=x+1.5y+0.375\tag{5}
\end{align}
\(x\)を消すと
\begin{align}
z_n&=(a’-1.5y-0.375+c_n)(1+0.5y)\\
&=-\frac{3}{4}y+\frac{1}{2}(a’+c_n-3.375)+(a’+c_n-0.375)
\end{align}
前項と同様に,\(a”=a’+c_n-1\)と置くと
$$z_n=-\frac{3}{4}y+\frac{1}{2}(a”-2.375)+(a”+0.625)$$
したがって,こちらも前回の記事と同じ形になるため,計算を省略すると
\(0<a”\le2.525\)のとき,\(y=0.05\)で\(z_n\)は最大になる.
\(2.525<a”<2.75\)のとき,\(y=\frac{1}{3}(a”-2.375)\)で\(z_n\)は最大になる.
また,式\((5)\)へ代入すると
$$x=a”-\frac{1}{2}(a”-2.375)-0.375-(c_n-1)\\
y=\frac{1}{3}(a”-2.375)\\
2.525<a”<2.75$$
となり,横軸を会心率\(y\),縦軸を\(x\)として,グラフにすると

この形になり,\(c_n\)の値によってグラフが上下にずれる形となる.
(図は\(c_n=1\)のときの値)
\(a”\)の範囲修正
こちらも前回の記事と同様にして
\(f(a”)=z_{ny_1}-z’_{ny_2}\)をグラフにする.

これより,正しい\(a”\)の転換点は
\(a”=2.75\)ではなく,\(a”=2.776…\)であることが分かる.
会心率100%のとき
最後に,\(y=1\)について考える.
ここまでの計算過程で,こちらの項も前回の記事と同様にできるため,計算を省略し結果をまとめる.
\(4.25<a”\)のとき,\(y’=\frac{2}{3}(a”-1.25)\)で\(z_n\)は最大になる.
$$x=a”-\frac{1}{2}(a”-1.25)-1.5-(c_n-1)\\
y’=\frac{2}{3}(a”-1.25)\\
4.25<a”$$
横軸を会心ダメージ\(y’\),縦軸を攻撃力\(x\)として,グラフにすると

この形になり,\(c_n\)の値によってグラフが上下にずれる形となる.
(図は\(c_n=1\)のときの値)
まとめ
これまでの計算結果をまとめると,前回の記事で作成したグラフ

これの形となり,\(c_n\)の値によってグラフが上下にずれる.
(図は\(c_n=1\)のときの値)